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7+α. [応用編2] 数値シミュレーションに基づいた資金管理手法の決定方法

2021年03月13日

システムトレード基本と原則 8章

検証編

前回、いくつかの資金管理方法をまとめました。

実際に検証することによって、どのくらい違いがあるのか確認してみましょう。

条件

条件はこのように設定します。

下記の戦略を使用します。まず、1Lotでの成績を確認します。

1Lotでの資産変動

基本的に右肩上がりの資産変動です。

この時期のUSDJPYは105円から103円へのトレンド相場でしたので、調子良く利益を伸ばした戦略です。

この戦略に対し、さまざまな資金管理での結果を検証してみます。

1. 固定資金

X = maxDD(最大ドローダウン)÷許容率

許容率ですが大きめに50%としてみましょう

X = 6,470 ÷ 0.5 = 13,400

固定資産50%での資産変動

Lot数(緑のバー)が資産(青)にそって増減しています。そして最大80Lotまで増えたこともあり、

利益は1Lotの場合と比べ20倍近く増加しました。41,730→704,420

しかし、許容率50%にしたおかげでMaxドローダウンは44%と非常に高い結果になりました。(許容率通りですね)

利益が相当増えたのでいい手法かと思うかもしれませんが、ドローダウン50%近くは相当ハイリスクですし、何より実際に自分の資金が半分になった時はトレードを続けられないドロップアウト(=破産)する可能性が高く、良い結果ではありません。

許容率を35%に減らしてみましょう

X = 6,470 ÷ 0.35 = 18,485

固定資産35%での資産変動

今度は最大ドローダウンが32.5%になりました。こちらも許容率通りですね。

利益は先ほどよりは減少しましたが、まだ耐えれるドローダウンになりました。

大切なのは、

資金管理によって最大ドローダウン%はある程度設計できる!

ということです。資金管理の強力さが感じられたかと思います。

(1Lotでの最大ドローダウンを確認してからX を決めたため、許容率とドローダウンを一致させることができるのはある意味当然です。実際は実際のドローダウンは過去データか推測になるため、ここまで一致させることは難しいでしょう。)

2. 固定ユニット

X=トレードリスク×ユニット数

ユニット数は20としてみます。

X = 2,200×20 = 44,000

固定ユニットでの資産変動

とても堅実な資産変動です。先ほどのグラフと比べ相当なだらかでしょう。

利益は確かに+10万円と上の値からは見劣りはしますが、最大ドローダウンが12%と低く抑えられているいい手法です。破産確率も低そうです。

下記の記事のユニット数を20以上にすれば破産確率を抑えられる!という内容を資金管理の角度からも確認できました。

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3. ウィリアムズの固定リスク率 (定率)

X = トレードリスク ÷ 固定リスク率

ここでは固定リスク率がパラメータになります。10%としてみます。

X = 2,200 ÷ 0.10 = 22,000

固定リスクでの資産変動

固定リスク率10%は2. 固定ユニットでいうところのユニット数10と同じです。

そのため少しリスクの高い資金管理となり、実際最大ドローダウンは27%になりました。

ただその分Lot数は多いので利益も大きくなりました。

この辺りはリスクと報酬の関係です。

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4. 固定ボラティリティ

X = 相場のボラティリティ ÷ 固定リスク率

< 取引枚数 = (固定リスク率×口座残高) ÷ 相場のボラティリティ >

14期間ATRをボラティリティに用います

おおよそATRは0.05程度でしたので、相場のボラティリティは0.05×1Lot(1万通貨) = ¥500となります。

固定リスク率は2%としましたので、Xは¥25,000近辺ですが、相場の状況に応じてボラティリティが大きく変化するため、Lot数も変動していることがわかります。

固定ボランティリティ14期間での資産変動

ただ、この戦略はトレンドフォロー型でしたので、ボラティリティが小さい時はトレンドが発生していない時ですので、

ボラティリティ小→Lot数多→Not トレンド→勝てない
ボラティリティ大→Lot数少→トレンド→勝つ

という相性の悪さが感じられました。特に大きく負けている時にLot数も大きいことから上記のことが推測できます。

そのため利益が他と比べ少ないのでしょう。

そこで60期間ATRをボラティリティに用います

ATRの期間を長くすると極端に小さなATR(ボラティリティ)は発生せず、先ほどよりLot数の変動が小さいのが分かります。

固定ボランティリティ60期間での資産変動

何より最終資産が50万超えで14期間ATRの場合と比べ2倍になりました。

ドローダウンもやや減少したことから、いわば攻守両面で改善しました。

5. 固定比率

これだけ少し複雑でした。

次の口座水準 = 今の口座水準 + (現在の取引枚数×デルタ)

次の口座水準に達するとLot数が増やすことができます。

デルタ = ドローダウン + 証拠金

真面目に証拠金を考えると、国内証券会社ではレバレッジ25倍なので、
証拠金は4万円程度は必要です。

なのでデルタ=4万円とした時

口座残高Lot数次へ必要な儲け
4万円11Lot×4万円= 4万円
8万円22Lot×4万円= 8万円
16万円33Lot×4万円= 12万円
28万円44Lot×4万円 = 16万円

となります。

固定比率デルタ4万円での資産変動

Lot数は2or3という結果になりました。そのため利益はあまり大きく伸ばせないものの、ドローダウンは8%のみという固定比率=守備重視が確認できました。

なのでデルタ=2万円とした時

それでは物足りないので、デルタ2万円でやってみます。

固定比率デルタ2万円での資産変動

Lot数が3~5に増え、結果利益も増えました。ドローダウンも8→13%に増えはしました。

しかし、他の戦略、例えば固定ボラティリティ14ATRとは利益はほぼ同じですが、
ドローダウンは25%→14%に減らすことが出来てます。

全ての方法を確認しました。

さあ、どの手法が良いですか?

いざドローダウンへ

ここまで見ていくと、最大ドローダウンが低い方がいいと言われても
なんだかんだ利益の高い手法が良いと思うかもしれません。

実は2020年の12月以降は円安が進み、shortのトレンドフォロー型戦略は厳しいドローダウンの時期に入ります。

そこで下の手法をそのままドローダウンへ突入させた結果を見てこの記事を終わりにしたいと思います。

1. 固定資産 X = 13,400

ドローダウンでの固定資産手法結果

最大ドローダウン85%、頼みの利益も+16万円まで減少。

3. ウィリアムズの固定リスク率 X = 22,000

ドローダウンでの固定リスク手法結果

こちらも最大ドローダウン65%と非常に大きく、利益も+14万円に減少。

5. 固定比率 デルタ = 4万円

ドローダウンでの固定比率手法結果

守備重視の固定比率は最大ドローダウン30%で耐えました。利益も少し減少し+5万円です。

さあ、どの手法が良いですか?

まとめ

資金管理を学んだ後は、売買ルールの作成についてです。

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