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4. FXにおける破産確率 なぜ負けていくのかが分かるが確率を求める式は難しい?

2021年03月05日

システムトレード基本と原則 4章

破産確率

これは、あなたが大損をしてトレードをやめる見込みを指します。

英語ではRisk of Ruinと言われているので、破産リスクとも言われます。

多くのトレーダは自分の破産確率を知らないままトレードを行い、そして負けているのが現実でしょう。

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逆に自分の破産確率を計算することで、なぜ負けていくかを説明できる(≠運のせいにしない)ようになるのではないでしょうか。

前回の期待値と合わせて理解していきましょう。

破産確率の公式

破産確率はトレーダーに対してこんなに素晴らしい概念であるのに、大きな欠点があります。

それは、式はこれです!と言えるほど、簡単ではないのです。

簡単ではない理由は、

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そのため、画像検索で破産確率を調べると式ではなく、『バルサラの破産確率』というTableがめちゃくちゃ出てきます。

式で求められないので、表を使って確認しているのです。

それでも式が知りたい

本書『システムトレードの基本と原則』では破産確率を(条件付きの)公式として掲載しています。

$$ 破産確率 = \{\frac{1-(W-L)}{1+(W-L)})^u\} $$

ここで、Wは勝率、Lは敗率、uがユニット数です。本書ではここまでですが

$$ L = 1 – W $$

を代入すると、よりわかりやすくなります。

$$ 破産確率 = (\frac{2-2W}{2W})^u = (\frac{L}{W})^u $$

なので、LがWより大きくなった時点で、1より大きい値を累乗するため、破産確率は100%です。

このユニット数が肝なのですが、

下記の例で考えてみます

資金が10万円で、1回のトレードに1万円のリスク(損切り)を取れる人がいた場合、この人のユニット数は10となります。

そしてこの人は毎回資金の10%分を賭けてトレードを行うとします。

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つまり、10回連続で負けると破産するということです。

勝率は60%としましょう。

$$ 破産確率 = (\frac{1-(0.6-0.4)}{1+(0.6-0.4)})^{10} = (\frac{0.4}{0.6})^{10} = 1.73(\%) $$

一生この戦略をやり続けた場合、資金がなくなる可能性は1.73%です。

100人がこの戦略をやったら1人か2人は資金がなくなるということです。

もしユニット数を5とすると、破産確率(Ruin of Risk)は13.2%にまで増加します。

この計算の欠点

それは、平均利益=平均損失という大きな条件付きでした。

先のほどのペイオフレシオ1を固定しない場合については『システムトレード基本と原則』では式としては語られておらず、
プログラム的(乱数を使ってシミュレーションするモンテカルロ的)
に算出する方法のみ言及されておりました。

が、発見しました。その先を。

さらに先へ

Ralph Vince 著 Portfolio Management Formulas (New York: Wiley, 1990)

という本でペイオフレシオが固定でない場合での式がありました。

本書の内容からも専門性の高さからの本記事の本筋と外れるため別記事に掲載します。

破産確率を下げるには

先程の公式、これでも結構有益な情報があります。

それはユニット数の大事さです。

ユニット数に応じたリスクの変化

先程の勝率60%でユニット数が変化するとこうなります。

x軸がユニット数で、y軸が破産リスクです。

ユニット数が少ないと破産リスクは大きく、損失の割合を小さくすれば破産リスクも減ります。何連敗しても大丈夫かという直感とも一致しますね。

ユニット数=つまり資金に対するリスクの大きさ

の影響が分かるかと思います。

6割の勝率(ただペイオフレシオは1)があっても、ユニット数を小さく(=ハイリスク)設定すると、資金はいつか吹っ飛ぶ可能性が高いということです。

そして逆に12ユニット以上であれば1%未満の破産確率となり、安全圏となります。

今度は勝率の影響を見てみます。

勝率に応じたリスクの変化

ユニット数3,5,8,10,15,20として、勝率をx軸に破産リスクをy軸に取ったグラフとなります。

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ユニット数8でも勝率6割超えてやっと5%です。後述しますが、1%未満が安全圏と言われています。

せめて3%としてもユニット数5では66%もの勝率がないといけません。
ユニット数が5、ましてや3というのがどんなに無謀かが分かったかと思います。

(ただ何度も言うようにこれはプロフィットレシオ1の場合です。低勝率高プロフィットレシオの場合は別記事の内容になります。)

安全圏

一般に1%以下が良いとされます。

ただ、資金の少ないトレーダーにおいてはハイリスクで資金を増やし、増えたら安全な運用をするべきという考えもあります。

つまりローリスクローリターンで行くか、ハイリスクハイリターンで行くか、と言う部分です。

でも、まずは自分のトレードがどのくらいのリスクなのか、破産確率という概念で『知ること』から始めましょう。

破産しないようにするためのいわば『守り』についての話でした。

どのように資金を配分することが利益を最大化するのかという『攻め』についても触れていこうと思います。

こちらが『攻め』、つまり利益を伸ばす資金管理についての記事です。

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またこちらはトレーディングスタイルについて、第5章の記事です。

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