2021年03月24日
前回に引き続きタートルズブレイクアウトの検証を行います。
下記のルールに加え、損切りと利確を置いた場合、結果はどのように変化するのか確認します。
トレンドフォロー型のタートルズブレイクアウトでは利確や損切りは有効なのか確認してみましょう。
前回の結果を再掲します。このように60分足EURJPYは10万円を45万円にするほど大きく勝ちを伸ばしました(2020/04~2020/03)
一方、60分のUSDJPYや30分足のGBPJPYなど、損失が出ている通貨と期間もありました。
| USDJPY | EURJPY | GBPJPY |
5分足 (2021/02~2021/03) | +¥18,713 | -¥11,205 | +¥33,735 |
15分足 (2021/01~2021/03) | +¥51,367 | -¥2,549 | +¥8,109 |
30分足 (2020/10~2021/03) | +¥9,217 | -¥8,172 | -¥50,736 |
60分足 (2020/04~2021/03) | -¥17,768 | +¥356,385 | +¥67,540 |
これは今回用いた手法はトレンドフォロー型であり、なおかつ買いエントリーでの検証であったため、上昇トレンドの通貨とその期間は成績を伸ばし、
逆に揉み合いや下降トレンドでは利益が出なかったという当然の結果でもありました。
アプリ上ではこのように設定することで損切りを追加できます。
右の価格ストップの値をプラスに設定すれば利確に、
マイナスに設定すれば損切りになります。
損切りポイントを-0.01円(-1pips)から-1円(-100pips)で変化させて結果を確認しました。
X軸が損切りポイントで、Y軸が利益です。
上にいくほど利益が出ていることを表し、例えば損切りポイントを0.5
つまり、エントリー価格より-0.5円減少したら損切り発動する場合、
およそ+¥150,000となります。
GBPJPYに関しては損切りをどこかに設定していれば、損切りがない場合に比べて大きく利益を増やしていたことが確認できました。
逆に言えば損切りがない場合は、-0.5= -50pip程度の負けがあったということです。
コロナ禍での激しい相場変動時にそのような負けがあったと思われます。
損切りで大敗を減らし、利益が増やせた良い事例と言えそうです。
下図のように損切りポイントを0.05~0.2 や 0.3~0.6で設定していれば、損切りなしの場合よりも損失は減少しています。
しかも、0.1付近ではプラスに転じている範囲もあり、逆に0.24ではより損失が増えているところもあります。
結論としては、0.05~0.5程度の損切りであれば基本的に損失を減らすことができるが、0.24,0.25に設定していた場合、大きな負けをピンポイントで拾い(運悪く)損失が増えうる、と言えます。
損切りなしの場合でもすでに大きな利益を生んでいたEURJPY
これはどうなるでしょうか。
結論としては、損切りを入れると利益が減少するとなります。
(それでも基本的に利益率+100%以上のプラスではあります。)
EURJPYは上昇トレンドであったため、損切りをせずとも待っていれば上昇するような相場でした。
そのため、待ちきれず損切りしてしまう場合、利益がその分減少したということが考えられます。
しかしながら、損切りがあった場合でも利益は出ています。
『損失を抑えるには有効だが、利益が出る相場の場合は利益を減少させてしまう場合がある』
極論、資金力が無尽蔵にあれば、価格がプラスになるまで持ち続けて、確実に勝つことができます。そうであれば損切りなど不要です。
しかし、資金力に限りがあり、損切りせずに次のエントリーの機会損失を被ることや、口座に大ダメージを負う場合を考えると
損切りによるリスクマネージメントは必須です。
それがたとえ利益を減少させてしまうとしても、破産確率を下げ、生き延びることの方が長期的にみて有益であるからです。
今回の検証においては、
大方0.1~0.2 (=10pips~20pips)ほど離した損切りポイントを設定することが良いと考えます。
もちろんリスクの取り方、つまりハイリスクハイリターンを望む場合など、個々人の志向にもよる部分です。
なので、自分好みに設定できるようにするためにも今回の検証のようにバックテストを使って自分で確認・検証することが何よりも大切ではないでしょうか。
結論から述べると、今回の検証では利確の有効性はない、
つまり利確がない方が結果が良いと言えます。
確かにタートルズのブレイクアウトシステムでは利確(利益目標)をおいてはいけないという原則がありました。その通りの結果が得られたということです。
結果のグラフを見ていただければわかりますが、
利確がない場合よりも利益が出ている場合がとても局所的であり、
利確による優位性はないと結論付けれる結果でした。
もちろん今回の検証条件、検証期間に限定した結果の可能性もありますが、
トレンドフォローでは利益をできる限り伸ばすこと(=途中で利確をしないこと)がとても大切でした。
トレンドフォローは勝率が低いため、大きな勝ちが必須です。
利確に関する結果は下記の付録にて掲載します。
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