2021年06月04日
RSIはご存知の通り、価格変動の内の上げ幅の割合を示すインディケータです。
そのため『買われすぎ』『売られすぎ』を示すインディケータと言われています。
RSIを用いた戦略の基本的なパラメータは
の2つです。
1500通り以上のパラメータの組み合わせを用いて、利益の出るRSIのパラメータを探索してみます。
一般的には70~80%以上で買われすぎ、20~30%以下で売られすぎと判断されます
本当なのでしょうか?
今回はUSDJPYの15分足と60分足を使います。
Long(買いエントリー)の場合、X%を下回ったら買い→(100-X)%を上回ったら売り
Short(売りエントリー)の場合、(100-X)%を上回ったら売り→X%を下回ったら買い
とし、RSIの期間とシグナル発生閾値を決めるXの値を変数として検証していきます。
2019/1/1~2020/01/31の13ヶ月間における月ごとの平均利益を用いて検証しました。
検証対象であるUSDJPYの相場はこのようになっていました。
逆張り戦略の評価がしやすいトレンドが少ない時期を選びました。
そして上げ相場も下げ相場も大方等しく、買い売りどちらにも平等な条件となる相場でもあります。
赤い部分が利益が出ている組み合わせ、青い部分が損失が出ている組み合わせです。
縦軸がRSIの期間を、横軸がRSIシグナル発生の閾値を表しています。
一番優位性のあるエリアは期間7~15、閾値x10〜20の『短期強RSI』エリアです。
RSIが10%でエントリーし90%でイグジットするような強いRSIの値が出た時だけ逆張りとしてトレードする手法で利益が出ているということになります。
15分足なので2~4時間くらいの期間で見た時に『売られすぎ』『買われすぎ』でトレードを行うということになりますので、短期で強い偏りがあるタイミングであれば逆張りが機能しているようです。
また、右上の『短期弱RSI』エリアと右下の『長期弱RSI』エリアでも月間平均利益がプラスとなっていました。
左下の白いエリアは一度も取引がなかったパラメータの組み合わせです。
模様が浮き出ている興味深い結果となりました。
買いエントリーの場合と同じような形が確認できました。
売りの方が最大利益が2500→1800と低下しているものの、広いエリアでプラスとなっていました。
買い/売り両方の結果から利益の出るエリアが見えてきました。買いと売りの結果を足し合わせたグラフを見て、優位性のあるエリアを見ていきましょう。
買いと売りの結果を足したグラフです。やはり優位性のあるエリアは、
と考えます。
RSI期間が短い(10)場合はよく言われている25%,75%では不十分であり、15%,85%やそれ以上を『買われ/売られすぎ』とみなすべきという結果でした。
逆にRSI期間が長い(40)場合は40%, 60%といった値に優位性があり、25%,75%の場合はそもそもシグナルが発生しません。
期間に応じて適切な値を設定する必要があることがわかるかと思います。
そして下の図が取引回数を表した図です。左下の水色は取引回数が0回、右上は取引回数が30回以上となっています。
60分足では15分足とは異なり、右真ん中から下の『長中期間の中RSI』エリアと右上の『短期の中弱RSI』エリアに優位性が出ています。
売りの場合も見てみます。
売りの場合は広い範囲が赤くなっています。
それでも買いの場合の傾向と同じく、右真ん中から下の『長中期間の中RSI』エリアと右上の『短期の中弱RSI』エリアが濃く赤いエリアでした。
足した場合のグラフです。これは最大値が4500となっており、一部の青いマスを除けば1000以上の月間平均利益を得たエリアが多く分布しています。
そして60分足の場合ではやはり2つのエリアに優位性があるようです。
15分足の結果を再掲しますが、時間軸によって大きく分布が違うことがわかります。見比べていただければと思います。
取引回数は15分足よりも当然少なくなっています。
RSIの閾値(%)はRSI期間によって大きく変わります!
期間によって一般的な値だと利益が出なかったり、そもそも取引シグナルが発生しないことがあります。
またそもそも用いている時間軸次第で利益が出るパラメータも変わります。
前回のゴールデンクロスの検証と同じく、一般的な値を鵜呑みするのは危険です。
続編 RSIを順張りで用いる場合のパラメータ検証
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